タイトル:歩けるようになる?
娘は小学二年生。
最近、まわりの子との違いを少しずつ意識しはじめたのか、
「いつになったら歩けるようになるの?」と、よく聞いてくるようになりました。
娘は胎児のころから神経が未発達な状態で生まれ、
下半身不随の影響で両足が麻痺し、変形もあります。
今の医療技術では、たとえ手術をしても歩けるようにはなりません。
娘はまだ病気のことを詳しく理解できる年齢ではありません。
「足の病気だから歩けないんだ」――そのくらいの認識です。
娘にそう聞かれるたびに胸が締めつけられますが、
私はできるだけ冷静に答えるようにしています。
「○○ちゃんは、歩けるようになるのは難しいんだよ。
でもね、歩けない足の代わりに“車いす”があるんだ。」
すると娘は、少し間をおいて
「でも歩きたいなぁ」と言います。
それ以上は何も聞きませんが、
お友だちが走り回る姿を見るたびに、またそっと聞いてくるのです。
小さな体で、当事者でなければ計り知れない大きな苦しみを、
娘なりに懸命に受け止めようとしています。
その姿を見ると、切なさと同時に、心の底から尊敬の気持ちが湧いてきます。
いつの日か、医療がもっと発達して、
歩けるようになる日が来ることを信じながら――
現実と向き合い、前を向いて生きていけるよう、
親としてこれからも全力で支えていこうと、あらためて心に誓いました。

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