オーケストラ鑑賞

去る6月、東京文化会館で行われた「障害のある方も楽しめるオーケストラコンサート」に行ってきました。
車いすの娘を連れて、久しぶりに公共交通機関を利用しての外出です。

公共交通機関でのお出かけ

普段は車移動が多いので、バスや電車を乗り継いで行くのはなかなか一苦労。
車いすでの移動は、極力ほかの乗客に迷惑をかけないようにと、いつも隅っこの方に場所を取ります。

特に大変なのは満員電車のとき。混雑が激しいとすぐには乗れず、何本か見送ってから乗ることもしばしば。そんな道のりを考えると、目的地に着くまで通常の倍の時間を見積もって出発するようにしています。

電車の中では、時々迷惑そうに睨まれることもありますが、大抵の方はとても親切です。娘が小さくて可愛らしいからか(笑)、ご高齢の方からは「偉いわね~」「大変ね~」と声をかけていただき、若い方はさっと立って席を譲ってくれたり、車いすのためにスペースを空けてくれたりします。こうした優しさに触れると、心から嬉しく、ほっこりした気持ちになります。

娘はというと、そんな周囲の温かい気遣いに気づいているのかいないのか、久しぶりの電車に大興奮。窓の外をずっと眺めて楽しんでいました。


東京文化会館に到着

無事に上野駅に着き、東京文化会館へ。
まずは腹ごしらえということで、会館のレストランに向かいました。

ところが、エレベーターで上がると、すでに行列は螺旋階段の上まで伸びていました。どの店も混雑しており、選択肢はここしかない…でも、螺旋階段に車いすで並ぶのは難しい。どうしようかと一瞬悩みました。

すると、店内へ通じる通路にメニュー看板があり、その横にちょうど車いす一台分のスペースを発見。そこで娘に待ってもらい、私は螺旋階段の最後尾へ並ぶことにしました。娘の姿が見えなくなるので少し心配でしたが、通路のお客さんがメニューを見るついでに娘にも視線を向けてくれるだろうと期待し、思い切ってお願いしました。

結果的に、無事に順番が回ってきて娘と合流。見守ってくださった周りのお客さんには本当に感謝です。
その一方で、エレベーターから車いすのお子さんを連れたママさんが列を見て諦め、引き返してしまう姿も見かけました。やはり「並ぶ」という行為ひとつでも、バリアがあるのだと実感しました。

ようやく席に着くと、店員さんはとても親切丁寧に応対してくださり、食事も美味しくいただけました。


いよいよ演奏会へ

お腹を満たした後は、いよいよお待ちかねのオーケストラ鑑賞。
この先は、心に響く音楽体験が待っていました──。

ホールでの工夫

ホール内に案内されると、娘は車いすから一般の座席に移りました。
娘は7歳ですが、身長は3歳児ほどの小ささで、座高が低すぎてステージがよく見えません。するとスタッフの方がクッションを持ってきてくださり、ちょうどいい高さになりました。こうした細やかな配慮は本当にありがたかったです。

いよいよ開演

いよいよ演奏会が始まりました。
ホールいっぱいに響きわたる迫力あるオーケストラの演奏。娘は目を輝かせながら聴き入っていました。

途中には、観客が演奏に合わせて手を叩いたり、足を動かしたりできる参加型のプログラムもあり、娘も楽しそうにリズムをとっていました。

誰もが楽しめる音楽体験

周囲を見渡すと、娘と同じように障害のある方々も多数鑑賞していました。
「世代、障害を越えて楽しめるコンサート」というコンセプトどおり、誰もが安心して楽しめる雰囲気が会場に広がっていました。

僕自身もオーケストラを聴くのは久しぶりでしたが、心が浄化されるような時間でした。何より、娘がとても楽しそうにしていたので「連れてきてよかった」と心から思いました。たまにはこういう息抜きも大切ですね。

まとめ

今回のオーケストラ鑑賞は、娘にとっても私にとっても特別な時間になりました。
普段の生活ではなかなか味わえない“生の音楽体験”を共有できたことは、きっとこれからも心の中に残り続けると思います。

「外出は大変だから…」とつい諦めてしまうこともありますが、勇気を出して一歩踏み出すことで、新しい喜びや感動に出会えるのだと改めて感じました。
また機会があれば、娘と一緒にコンサートやイベントに足を運んでみたいと思います。

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